天孫降臨 (ヤングジャンプコミックス ワイド版)

井上淳哉氏のリメイクに厳しい事を書いてしまいましたが こちらの書籍の最初が｢闇の客人｣オリジナルです｡
きちんと｢異界=常世｣と書かれて｢神が幸をもたらす常世の国｣と説明されています｡(44頁)だからこそ死人が出ようが祭りを止められなかったという設定が生きてきます｡
｢黄泉の国｣では どうやっても｢幸｣も来ませんし｢禍津神｣しか来訪しません?いや禍津神じゃなくて死神系のカミサマしか来訪しないでしょう｡
井上氏の設定でオリジナルになかったのは｢盗撮｣と間違われた処と 松明で禍津神を照らすと肉眼で見える様になった事(これは良い観点ですね)､
絶対に違うなあ､というのは大学教授が神学でもないのに神の実在を説いてる箇所と､話の途中に死んだ連中が､鳥居の向こうに広がる｢異界｣で笑っているシーンです｡
つまり井上氏は｢あの世｣(=黄泉の国)にせざるを得ない自縄自縛に陥ったのでしょうね｡
日本人のカミサマ感はアバウトなもので そこが利点でも欠点でもありますが､常世の国や補陀落渡海など黄泉の国以外の｢異界｣は あちこちに入り口が有るのです｡
他の話については先に書かれている方がご指摘のとおりです｡
ラストで｢ちいちゃん｣が今迄居た場所は 一体どこだったのでしょうか?蠅声なす荒ぶる神.......常世にしては狭そうな感じでしたね｡