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一つの野球ドラマとして、それなりに面白い。
ジェネラルマネージャーのビリー・ビーンという人が
極貧弱小のアスレチックスを、数学的な野球理論を用いて立てなおしていこうってお話。

小説の面白さはそういう野球理論で既存の思い込みや偏見をぶち壊していったり
野球理論によって道具として翻弄されていく選手たちのドラマだったり
そういうものがすごくよかたった。

ただ、映画でその小説ならではの要素を描いていれば
ただの野球ドラマじゃないって言えたんだろうけど
見てみたら既存の野球ドラマの枠に縛られてしまった、という感じ。
それだけで見ればそれなりに面白いのだが、それ以上でもない。

映画版はあくまで野球ドラマとして
チームがどう活躍していくのか、に重点がおかれていた。
ビリー・ビーンの娘さん役も登場して、この娘も結構重い位置に。
チームの成功と平行して、この娘さんとどう関わっていくのかも
一つの映画のテーマとして作られている。

ただそのぶん削られたのが
先に書いた野球理論や選手たちのドラマ。
パソコンに映された数式はなんだか嘘っぽいカッコつけたSF見たいな映し方だし
選手たちはほとんどモブキャラである。
特にハッテバーグをオチであれほどの活躍をさせるのだから
もっと描かなきゃいけないストーリーがあって、初めて感動作になるわけで。

あと映画が長くて、途中や終盤すごくだらだらと進み、少々つかれる。
あとあと、ブラピがかっこよい。
お菓子をむしゃむしゃ食べる描写だったり
ガムをﾍﾟｯってやるところなんだりが、
とても厨二病精神をくすぐられて、すごくかっこよい。