ジゴロ (集英社文庫)
「ジゴロ」であるストリートミュージシャンのカイと彼女に関わる女たちを描いた連作短編です。
どのお話も中山佳穂ワールド全開ですし、テンポも良いのでファンには自信を持ってオススメできます。
他のお話の登場人物を匂わせる描写がちらほらあって、それを見つける度に少しテンションが上がりました(笑)
個人的には「上海動物園にて」が一番好きです。 終わりの場面は幻想的ですし、なにより読後感が良い!
ただ、著者の長編にあるような、息を詰めて最後まで読まされてしまうような緊張感がなかったのが残念。
猫背の王子 (集英社文庫)
主人公のミチルが、骨ばっていて自堕落、不器用な感じでいとしい。
ただ作者初期の作品と言うことで、キャラクターの動きに一貫性がないところがあり、たまに違和感も感じた。
ミチルの劇団に対するまっすぐで強い思いが、細かいたくさんの言葉で伝えられる。
作者が劇団出身とあり、あとがきにもそちらに触れていたので、少し大げさな感じはしても、リアルな言葉なのだろうと思う。
呼んでいる側に響きやすい。
本のレビューに「青春恋愛小説」とあったが、劇団に対する「青春」のほうがはるかに強く、「恋愛」の印象は少し薄かった。
主人公にはとても惹かれるので、この作者の本をもっともっと読んでみたい。
感情教育 (講談社文庫)
那智と理緒という、それぞれ過酷な生い立ちを持つ2人の女性が運命的?に出会い、惹かれ合う話。文章は簡潔だが、登場人物の細かな仕草や表情にまで神経が行き届いており、繊細。特に、2人の生い立ちがそれぞれ語られる前半部はテンポ良くダイジェストされていて没入できた。
ただし。2人が出会ってからの後半部は正直期待はずれ。本当にこの2人の恋は運命的なものだったのか、その必然性がどうにも理解できない。2人のキャラクターが、肉体こそ「うりふたつ」だが精神的には完全に凸凹(ある意味シンメトリカルに)として設定されていないことによるのだろうか。その点も含め、「飽きた、もう読みたくない」とは決して思わなかったものの全体に中途半端な、何かが足りないといった読後感を持った。
白い薔薇の淵まで (集英社文庫)
官能小説というものは読んだことはないが、はたしてこれほどまでにエロティックに描けているのだろうか?
エロティシズムの根源の一つは、切なさを伴っていることのように思う。だから夫婦間よりも、不倫関係の方が遥かに艶めかしいのだ。
そういう意味で、行き場のない思い、「気持ち」以外に依るすべもない不安 そんな中での刹那な激情が、生 あるいは 性 の迸りを読者に伝えているのだろう。
平凡な幸せと、波乱万丈な人生と、どちらが幸福なのかはわからないが、少なくとも「一生懸命手探りで生きている人達」のドラマは、読者の心を惹きつけてやまない。
弱法師(よろぼし) (文春文庫)
美しい小説だと思いました。
涙が出てきました。
性描写のない官能小説。出会えてよかった。
【閲覧注意】レズ疑惑のある有名人まとめ
こちらに掲載した方々は一部カミングアウトされていますが、あくまで噂レベルの話です。ちょっとした暇つぶし程度で楽しんで頂け
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