

森 (新潮文庫)
明治30年代の少女たちの女学校生活(ハイスクール・ライフ)の描写が現代のライトノベルの乗りに通じる。画家志望の青年を巡る二人の美少女の恋のさや当て等は読んでいて実に面白い。実際、主人公は作者がモデルだそうだし、他の登場人物も誰がモデルであるかはある程度わかる。それにしても、最晩年にこういう作品を書けた作者はすばらしい。是非、完結してほしかった。

ギリシア・ローマ神話―付インド・北欧神話 (岩波文庫)
ギリシャ・ローマ神話などに興味があるが、読む時間がなかったりする人におすすめ。事実関係だけが書かれているので知識としての神話を体得できます。

野上弥生子随筆集 (岩波文庫)
この本で、随筆家としての野上弥生子の鳥瞰ができる。年代順に編集されているので、その時の作者の関心がよくわかる。
各随筆は、構成も堅牢であり、読み応えがある。特に、漱石の思い出、伊藤野枝についての随筆は、迫力がある。
読んで得るところが多い。

中世騎士物語 (岩波文庫)
中世とは騎士道物語が全盛の時代なのですが、これは英国の古い作品(アーサー王物語やブリタニア列王史など、ケルト系を含めた神代の物語作品)をまとめて、文学作品として一貫性をもたせ、解説をつけたものです。
内容としてはよいものです。アーサー王伝説もよくまとまっており、また(原本が作られた当時では)最新のテクストであったマビノギオンも収録、物語として収められており、充実した内容となっています。
こういった作品に初めて触れるという人には格好の本だと思います。
ただ、何とかならないかと思うのが本の題名です。もとはThe Age of Chivalry(騎士の時代)というもので、騎士道がどういったものか、といったのをメインにすえたものです。内容も先述したように、マビノギオンやアーサー王伝説を含めて、いわゆる神代、つまり伝説的なものです。
しかし、中世に流行したものはこういった伝説だけをもとにしたものだけではありません。スペインのアマディス・デ・ガウラなど、時代背景、内容もさまざまな作品があります。つまり神話だけが騎士道物語ではないわけですが、この本にはそういった作品は収録されていません。ある意味看板に偽りありというわけです。この本では、騎士道物語の一端はうかがえるでしょうが、この本が収録しているものは、ドン・キホーテがほれ込んだ騎士道物語のあくまで端の部分だけであるということをこの題名はあらわしていないと思います。

母の歌
特に第7曲目「母の歌」(野上弥生子―作詞、下総皖一ー作曲)は日本歌曲としても通用する優れた歌ですがCD音源が殆んどありません。ソプラノ抒情歌御三家、関定子、藍川由美、鮫島由美子は歌っていませんし、由紀さおり、倍賞千恵子、芹洋子なども吹き込み無し。(橋本国彦作曲のものはかなり在りますが)。当方の知る限りこの歌のCDは桑名貞子、松田トシぐらいで(GO-RILLAは1番だけ歌唱、最近BS日テレでFORESTAが歌っていました)この川口京子さんのCDはとても貴重です。(2番の歌詞にたった一句だけ戦時用語が入っている為歌われないのかな)
臼杵悶絶シーズー.mov
野上弥生子文学記念館の正面にいたシーズー。
野上弥生子 ウェブ

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