

黄金の日本史 (新潮新書)
江戸期における「金」の流失は国家レベルの損失であることは現在も同じであることを本書はわかりやすく示してくれています。
そのような意味で一読をお勧め致します。

秀吉の枷〈上〉 (文春文庫)
いきなり、竹中半兵衛の死から始まる“秀吉物”というのも新鮮だが、
中国攻めから本能寺、信長没後の目くるめく勢力変遷、各大名がしのぎを削る
駆け引きが面白い。
秀吉と二人の軍師、半兵衛と黒田如水との関係も、意識してだろうが、
劉備とホウ統、孔明を彷彿とさせる。
全体として品よく仕上がっている。
上巻は、大阪城を建設し、天下取りを確かなものにするあたりで終わるが、
信長が死してなお秀吉に大きな影を落としていく様が見事に描かれている。
このとき秀吉48歳。“人生五十年”の時代では、既に老境。
跡継ぎのいないあせりも宜なるかな。
この辺の心理描写は、著者の年齢もあろうが、身につまされるほど、うまい。
下巻の、更なる展開に期待。

信長の棺
新聞広告で興味を持って早速購入。
結構な厚みがあるのに24時間かからず読了してしまった。
それぐらい飽きさせずに読ませてくれる。
本書の内容は他の方のレビューに譲るとして、
著者に好感をもったのはその姿勢。
全く手抜きをしない。
主人公が大坂から伊丹を抜けて有馬温泉に逗留し、
そこから北へ間道を抜けて三田に入り、
立杭焼の里を訪れる話など、
地元の私には光景が目に浮かぶような優れた描写だった。
手を抜かずよく調べているのがわかる。
安土桃山時代の再勉強にもなり、
買って損なしと自信をもってお薦めできる一冊です。

大いなる旅路 [DVD]
国鉄マンの生涯をリアルに描くため、主演の三国連太郎は、実際にレールの上を走っている本物の蒸気機関車の罐を焚いている。(このシーンのために国鉄の研修所に通って機関助手の訓練を受けたそうだ。その甲斐あってブルーリボン主演男優賞を受けた)
機関車が雪崩に巻き込まれて脱線する場面は、当時の国鉄総裁の許可を得て、設定年代当時の蒸気機関車の実物を走らせ、実際に脱線転覆させている。
実に真剣に作られた映画で、鉄道ファンならば一度はご覧になった方が良いと思う。
また、10代の研修生から定年間近までを力技で演じきる三国連太郎と加藤嘉、まだ若々しく凛々しい高倉健、そして一瞬誰だかわからないくらいスマートな二枚目の梅宮辰夫と演技陣も素晴らしく、見ごたえがあるので、一般映画ファンにもおすすめできる。

神君家康の密書 (新潮文庫)
安土桃山時代の名脇役ともいうべき京極高次、柴田勝家、福島正則の3人を主役に据えた中編歴史小説が3編。それぞれきちんと史料を踏まえ、しかも抑え気味の多少の脚色を交えながらの戦国武将モノで、おのおのそれなりに面白く読めた。
京極高次には淀君と秀吉、柴田勝家には冷酷な信長、福島正則には秀吉が遺した若(秀頼)と家康の野望を絡め、叙述は割と込み入っている。それでも、描こうとしている主人公像とストーリーが明快なので、すっきりと読み通すことができた。特に、福島正則をめぐっては、感情にかられやすい激情型の凶暴な武将だったという一般的(?)なイメージをくつがえす描写になっており、興味津々で読めた(福島正則は酒を飲むと人が変わったらしいが、しらふの時は理知的で情の篤い武将だった、というのが作者の見立てのようだ)。
U-REALM 表参道 HIRO Photo
YouTube Captureから.
加藤廣 ウェブ

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